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中期レシオケータの利用

 これまで私どもは、主として各銘柄の月次株価から生成した長期レシオケータで長期の株価推移を分析することで、その後数年間の株価動向をある程度予測できるのを示しました。

さらに、多数の銘柄の長期間にわたるデータをもとにシミュレーションを行った結果、各銘柄の週次株価データから算出した 「中期レシオケータ」 を盛り込んだ株価指数によって、数ヶ月の短期間のうちにある程度の売買差益をあげられる可能性の高い買い銘柄候補、売り銘柄候補を見つけられるのがわかりました。

各銘柄についてこの株価指数を算出し、その時点において中期的に上昇基調になったと思われる銘柄、逆にその時点において短期的に下落基調になったと思われる銘柄を検出します。

次いでそれら買い銘柄候補グループと売り銘柄候補グループを組み合わせて運用すれば、株式相場全体が大きく変動した場合にもそれほどダメージを受けることのない 「ヘッジ付き株式投資」 が可能となります。

日経平均株価の推移

 上記のように、私どもは今後は、調査の対象とする個別銘柄の週次株価データを私どもが選定した220銘柄あまりからなる 「元銘柄グループ」 に属する各銘柄の週次株価データと統計的に比較することで得られる 「中期レシオケータ」 を中心に組み立てる株価指数を用いることにします。

今後はその株価指数を 「UCWレシオ」 と呼びましょう。株価指数UCWレシオの詳細はこのウェブサイトの中でおいおい明らかにしますが、まずは実際の相場での日経平均株価とUCWレシオの関係を見てチャートでUCWレシオのイメージを直感していただきましょう。

2013年から3年半あまりにわたって上昇してきた株式相場は2015年8月に大暴落し、その後2015年11月ごろは一時反発しましたが長続きせず結局1年にわたって低迷相場が続きました。

2016年8月以降、株式相場はとりあえず底値を確認し、2016年9月から10月にかけて反発の気配を強めました。下図のチャートは、その時期の日経平均株価とそれに対応する株価指数UCWレシオとを示しています。
日経平均株価は各週の平均値をつなげる折れ線グラフで表示しています。

下図下半分の分析チャートで、ピンク線は株価チャートの日経平均株価に対応する株価指数UCWレシオの推移を示します。分析チャートの緑色線は、その株価指数UCWレシオを統計的に処理した平均線を示します(単純な移動平均線ではありません)。今後それを MCWレシオ と呼びましょう。

基本的に、UCWレシオが100ポイントを超える領域は日経平均株価が上昇基調であることを示し、UCWレシオが100ポイント未満の領域は日経平均株価が下落基調であることを示します。
またMCWレシオ(緑色線)が上昇傾向にあれば、日経平均株価の上昇傾向が継続している可能性が高いと考えられます。逆にMCWレシオ(緑色線)が下落傾向にあれば、日経平均株価の下落傾向が継続している可能性が高いと考えられます。

日経平均株価

上図下半分の分析チャート右端で、2016年7月以降は株価指数UCWレシオ(ピンク線)はMCWレシオ(緑色線)を上回り、さらに100ポイントレベルを超えて日経平均株価が上昇するきざしが出てきました。日経平均株価がなお暴落後の低迷状態にあるが、さらに急落をするのではなく保合い状態に入ったと考えることができるでしょう。

2016年9月になると、日経平均株価はやや上昇してその13週移動平均線、26週移動平均線をともに上回りました。この時点では、上図下半分の分析チャートでUCWレシオ(ピンク線)は上昇して100ポイントレベルを超え、6ヶ月前のレベルを越えてきました。また、分析チャートでMCWレシオ(緑色線)も上昇傾向となり、やはり6ヶ月前のレベルを越えてきました。

直近20年間の日経平均株価の動きについて調べると、このように私どもの分析指数が陽転のきざしを見せたのちに日経平均株価がその13週移動平均線、26週移動平均線をともに上回ると、その後かなり長期にわたって日経平均株価が上昇基調となる場合が多いのがわかりました。

これらから私どもは、日経平均株価は2016年9月初めに暴落以来1年ぶりに上昇基調に転換したと判断しました。その後日経平均株価は予想通りに急騰し、2017年11月には23,000円を超える高値をつけました。

株価上昇の大きかった銘柄

 上記のように日経平均株価が2016年末にかけて急騰したのは、日経平均株価を構成する多数の銘柄のうち株価が上昇した銘柄が多かったためです。それらのうちこの時期での株価上昇ペースの大きかった銘柄は日経平均株価の上昇率を引き上げたことになり、逆にこの時期での株価上昇ペースの小さかった銘柄は東証株価指数の上昇にブレーキをかけたことになります。

なお、実は、大多数の銘柄が値上がりしたこの時期にも、数は少ないものの株価が弱含みで推移した銘柄があるのです。のちに述べるように、そのような銘柄は、全体としては値上がりしている相場が思わぬ原因で急落した場合に備えるヘッジとして利用することができます。

さて、上記のように全体相場が上昇中の時期は、上昇基調が明確になった個別銘柄を買い付けることで値上がり益を得る可能性が大きくなります。そのような個別銘柄を選択するには、私どもは前記の株価指数UCWレシオとその銘柄の株価推移などを総合的にコンピュータで判断しています。

そのように上昇基調が明確になった個別銘柄の例として、繊維産業の老舗ユニチカ株が私どものプログラムで検出されました。ユニチカ株は繊維事業の不振により長年株価が低迷していましたが、最近はフィルムや樹脂など高分子事業の好調により株価が立ち直ってきました。

2015年末から下落傾向にあったユニチカ株の株価は、2016年5月中ごろからふたたび上昇を始め、株価の13週移動平均線、26週移動平均線をともに上回りました。
下図チャート下半分の分析チャートでは、UCWレシオ(ピンク線)がすでに3月末から100ポイントを超え、5月末には110ポイントを超えていました。遅行性指数であるMCWレシオ(緑色線)もそのあたりで上昇しはじめ、100ポイントレベルに接近していました。

それら株価と分析指数の動向を総合判断して、私どもの分析プログラムはユニチカ株の株価が2016年5月下旬に上昇傾向に転じたと判断しました。

ユニチカ株価

 その後ユニチカ株の株価は予想通りに急騰し、6ヶ月あまり後の2016年12月初めには高値88円をつけました。2016年5月下旬に私どもがユニチカ株の陽転と判断してから6ヶ月で50パーセント上昇したことになります。

なお、上掲の日経平均株価の分析チャートでは、2016年9月中旬になってから私どもの分析プログラムは日経平均株価が上昇傾向に転じたと判断しました。
いっぽう上図のユニチカ株の分析チャートでは、私どもの分析プログラムは日経平均株価の陽転より4ヶ月も早い2016年5月中旬にはユニチカ株の株価)が陽転したと判断しました。
このように個別銘柄の株価は平均株価とはだいぶ異なる値動きをすることがあります。後に述べるように、そのような銘柄ごとの株価推移の違いを利用して、ヘッジ付きの株式投資をすることができます。

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