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直管蛍光灯

 オフィスなど広い空間を明るくするには、通常天井に灯器を多数直付けし、それらからの光を床に向けます。このような照明を普通ベースライトと呼びます。
ベースライト用の灯器としては、現時点では直管蛍光灯が能率の点でも価格の面でももっとも優れているので、オフィス、学校等では直管蛍光灯が広く利用されています。

また、家庭では通常サークライン蛍光灯を使ったいわゆるシーリングライトが部屋全体を照明する目的でよく使われますが、仕事部屋、書斎など照度を必要とする場合は、やはり直管蛍光灯が天井直付けで使われます。私の家でも仕事部屋などに直管蛍光灯を天井直付けで多数使っています。

直管蛍光灯 これまで私はそれら直管蛍光灯が寿命になるたびに交換して利用してきましたが、最近では蛍光灯器具も老朽化し、挿入した直管蛍光灯が落下しそうになることもありました。
蛍光灯は管内の放電により発生した紫外線で管球内壁に塗布した蛍光体を発光させますが、蛍光灯管外にもれ出た紫外線により灯器のプラスティック部品が劣化するようです。

2013年度から東京電力の電力料金がかなり上がることもあり、現在利用中のそれら直管蛍光灯照明を直管LED照明に置き換えることができるかを検討しました。

蛍光灯とLED灯

 先に私どもは別ページで 電球型蛍光灯と電球型白色LED灯 の明るさを比較しました。
その結果は、部屋全体を照明する場合には、電球型白色LED灯は電球型蛍光灯より20パーセントほど省電力になるというものでした。
電球型白色LED灯は正面方向への照度が大きいので、台所の手元灯やデスクの照明に使う場合には電球型白色LED灯は電球型蛍光灯よりさらに省電力になると思われます。

それでは直管形の白色LED灯と直管蛍光灯とを比較したら、どういうことになるのでしょうか。電球型と直管とでは形状がまったく異なるので、別に検討する必要があります。
LED灯はその放射特性から行って広い面積の照明には不利な面があるのですが、直管LED灯は線状光源なので電球型LED灯より有利になるとも考えられます。

直管LED灯

 まず、現時点(2013年6月)で入手可能な直管白色LED灯を調べましょう。日本では、直管蛍光灯は大部分が大手電機メーカーによって大量生産されています。しかし、直管白色LED灯については日本の大手電機メーカー各社は慎重で、2010年度にJIS規格が制定されましたが、その生産は小規模に留まっています。その理由は、少し後に説明します。

直管LED灯は、大掛かりな生産設備がなくても製造できることから、当初は小メーカーによって供給されました。国内の小メーカーのほかに中国や韓国のメーカーの製品も日本国内で販売されましたが、中には粗悪な製品があり、1年ぐらいのうちに故障したなどのトラブルも報告されました。最近では、フィリップスなど海外の大メーカーも製造に乗り出すようになって、ようやく品質も安定してきたといわれます。

電球型白色LED灯は、白熱電球と同じ口金(E26、E17)なので、当初は白熱電球をそのまま挿しかえて次第に普及しました。やがて電球型白色LED灯の品質が向上し、価格も大幅に下落したので、電球型白色LED灯を組み込んだ灯器が開発され、新築家屋などのシーリングライトとして盛んに使われるようになりました。

後で述べるように、直管LED灯は、デスクの照度を重視する用途では直管蛍光灯の60パーセントくらいの電力で済むといわれます。したがって、現在オフィスなどで使われている直管蛍光灯を直管LED灯に置き換えるだけでも莫大な需要があると思われます。

しかし、その割にはLED灯メーカー各社の動きはいまひとつ活発ではなく、特に国内大手電機メーカーはこれまで量産に乗り出す様子はありませんでした。そのためか、直管LED灯の市場価格は電球型LED灯に比較して高いままで推移しており、それがまた需要の伸びを妨げている感がありました。

直管LED灯の電源接続

グローランプ  直管形蛍光灯から直管LED灯への転換がなかなか進行しない理由の一つが、直管LED灯器内部の電気回路の問題です。

通常の蛍光灯は、両端のフィラメントに電流を通じて電子を放出させた後、両電極間に高電圧をかけて放電を開始させます。

そのための方式はいくつかありますが、もっとも簡単なのは左図左に示すグローランプという点灯管を使う方式です。この方式では安定器と称するチョークコイル(左図右)を蛍光灯に直列に挿入して使用します。

グローランプ方式の蛍光灯器では、上図グローランプ、安定器、コンデンサーなどが灯器の中に収められ、それらが電線で接続されています。

いっぽう、LED灯では通常商用交流電源を内蔵のダイオードで直流に変換し、それをLEDに直接印加して点灯させます。したがって、直管形蛍光灯の灯器で直管形蛍光灯のかわりに直管LED灯を装着して点灯させる場合、上記グローランプ、安定器、コンデンサーなどとそれらの接続線があると、直管LED灯が正常に点灯できない恐れがあります。

そこで、直管形蛍光灯の灯器で直管LED灯を点灯させるには、灯器内の余計な配線を除去し、直管LED灯を商用交流電源に直結するのが基本になります。
直管LED灯の種類によっては直管形蛍光灯の灯器の変更なしに直管LED灯を装着・点灯できるとしているものもありますが、その場合には安定器、コンデンサーなどに余計な電力が消費され、電力効率が低下したり、故障の原因になったりする恐れがあります。

オフィス、工場などでは直管形蛍光灯の灯器を多数利用しているので、それらを上記のように改変するには多額の費用と時間を要するでしょう。その費用も、直管LED灯照明導入の初期経費として見込まなければなりません。

旧直管灯器の寿命

 直管蛍光灯の灯器は、長年月使用すると、ほうぼうが破損・劣化します。私の家でも、10年以上使用した直管蛍光灯の灯器では蛍光灯との接点が破損したり、プラスティック部品が劣化したりで使用できなくなり、交換したことが何回かありました。

最近のLED灯のスペックを見ると、寿命は4万時間以上と書かれています。4万時間というと、1日10時間使用しても10年以上になります。したがって、LED灯器では、LED灯の寿命がくる前に灯器そのものが使えなくなる恐れもあると考えられます。

ある事業所でベースライトとして多数利用している直管蛍光灯を直管LED灯に交換することになったとしましょう。その直管蛍光灯の灯器をすでに長年にわたって使用していたら、それらの灯器はかなり劣化しているかもしれません。前記のような方法で灯器内の配線を変更し、直管LED灯を装着しても、それから数年経ったころ灯器そのものが使えなくなる事態も起こりえるのです。

まずは、現在使用している直管蛍光灯灯器のメーカーにその灯器の状態を診断してもらい、今後さらに10年近くは使用できるという見通しが得られたら、前記の方法で灯器内の配線を変更し、直管LED灯を装着して使用するのがよいでしょう。
もし、専門家の診断で現用の灯器がかなり劣化しているのが判明したら、後に説明する新型直管LED灯の灯器に交換するのが得策です。

G13直管LED灯

G13直管LED灯  通常の直管蛍光灯は、ガラス管の両側に2本の電極のある口金がついています。この口金の形式はG13という国際規格になっています。

G13口金を使った直管LED灯は、既存の直管蛍光灯用灯器を前記のように若干改造することで簡単に装着・点灯できるというメリットがあり、既に世界各国で広く使用されています。

左図はオランダの電機メーカーフィリップス社の直管LED灯の例で、両端にG13口金が設けられており、直管部はポリカーボネート製で直径は27mmと通常の直管蛍光灯よりやや細い作りになっています。

ここで、直管蛍光灯と直管LED灯(G13タイプ)の明るさの比較を行いましょう。
下表で、@は20W型直管蛍光灯の場合のデータ例です。
Aは20W型直管LED灯の場合のデータ例です。

種別 消費電力 全光束 1m直下照度
@ 20W型直管蛍光灯 19 W 1000 lm 200 lux
A 20W型直管LED灯 10 W 825 lm 216 lux

上表で@とAを比較すると、20W型直管LED灯は20W型直管蛍光灯の60パーセントほどの消費電力ですが、20W型直管蛍光灯の83パーセントの全光束が得られます。
灯器の1m直下照度は、20W型直管LED灯は正面方向の放射が強いので20W型直管蛍光灯の200luxを上回る216luxが得られました。

20W型直管LED灯を多数使って広い面積を照明した場合、同じ数の20W型直管蛍光灯を使った場合より平均照度はやや小さくなりますが、直管蛍光灯は設置後短い期間で照度が低下するので実質的には両者の差はほとんどないということです。

直管LED灯の採算性
 上記のように、直管LED灯は、ベースライトとして利用した場合直管蛍光灯より40パーセントほど少ない電力でほぼ同等の照明ができると思われます。
しかし、そのためにはまず直管LED灯を新規に購入する必要があります。ここでは、簡単のためにすでに直管蛍光灯の灯器が設置されており、それが調査の結果なお今後長年の使用に耐えるのがわかったという場合について検討します。
このケースでは、直管LED灯の新規購入価格と直管蛍光灯灯器の改造費用の合計が初期投資費用になります。それを直管LED灯採用による月々の照明電力料金の節減分で償却できるかどうかが問題になるわけです。

20W型直管LED灯は、2013年6月の時点で上記フィリップス社のG13タイプが1本3000円ほどで販売されています。また、直管蛍光灯灯器の改造費用はさまざまですが、ここでは灯器1個あたり直管蛍光灯・直管LED灯の脱着料金込みで2000円としましょう。すると、直管LED灯に交換するための初期投資費用は5000円ほどになります。

20W直管蛍光灯を1日8時間点灯すると、電気料金は年間で1200円ほどになります。20W型直管LED灯を利用することでその40パーセントが節減できるとすると、その節減額は年間480円となります。その480円/年で初期投資費用5000円を償却するには、ざっと10年以上を必要とすることになります。

以上から、現状では直管LED灯の電力節減効果だけで直管LED灯の普及を推進するのはかなり困難なのがわかります。直管蛍光灯の寿命が短いこと、それによる直管蛍光灯の交換費用が必要なこと、直管LED灯には空調の電力を節減する効果もあること、などを総合して直管LED灯のメリットを評価するべきかもしれません。

直管LED灯でこのように採算が難しくなるのは、やはり直管LED灯の価格が高いからでしょう。電球型白色LED灯は、最近白熱電球や電球型蛍光灯を置き換えて普及が進んだため価格が大幅に低下し、それがさらに普及を後押しするという好循環に乗っています。

それに対して直管LED灯は現在は20W型で1本3000円ぐらいの価格で、電球型白色LED灯に比較してかなり割高です。1本100円ぐらいで販売されている20W型直管蛍光灯を押しのけて普及が進むためには、メーカー、流通業界がタイアップしてなにか策を講ずる必要があるでしょう。

JIS規格の直管LED灯

 前記直管LED灯のG13という規格は直管両端の口金の規格であり、直管LED灯のその他のスペックを規定するものではありません。それで現在は、G13口金を使った直管LED灯はメーカー各社がそれぞれ違う設計方針で製造し、販売しているのが実態です。

そのような直管LED灯を、末端の利用者は正しいとはいえない方法で改造した灯器に装着・点灯する場合があります。その結果、メーカー各社によって互換性がなく点灯しなかったり、時には点灯すると火が出たりすることもあるそうです。

JEL 801 日本電球工業会は、そのようなG13口金を使う方式では限界があると考え、「JEL 801」という直管LED灯の新しい規格を制定しました。

この規格では直管の片側の口金にL字形の電極が2本あり(左図下側)、そこからLED用の低電圧直流をLED灯に給電します。
直管の他の端にある口金には1本の電極がありますが、これは接地(アース)用です。

直管LED灯は内部にアルミ製の放熱板がついているので重量がやや大きく、G13口金では地震などの際落下する危険性も指摘されていますが、この規格ではその心配はなくなりました。

JEL 801規格では、LED点灯のための電源回路をランプ内に内蔵せずに外部に設置し、それからの直流電力をランプの片方の口金に供給します。そこで、その電源回路を収めた専用の灯器を必要とします。直管蛍光灯用の灯器を流用することはできません。

JEL 801規格の趣旨は大変結構で将来は普及すると考えられますが、現時点ではその価格がネックになっています。まずJEL 801規格対応のランプは、まだ量産が進んでいないこともあり、40W型が一本1万円ぐらいで販売されているようです。その上、JEL 801規格では専用の灯器が必要ですが、それも現時点ではかなり価格が高いということです。

このような状況下では、JEL 801規格LED灯の普及はなかなかはかどらないでしょう。
私ども利用者としては、直管蛍光灯をなんとか使いながら、G13口金方式、JEL 801方式のLED灯の性能が向上し、価格が下がるのを待つのがよいのかもしれません。

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