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太陽光発電サイト

メガソーラー  つい最近、千葉県で電車の窓から外を眺めていると、丘の斜面に青いガラス板のようなものが多数設置されているのが見えました。

太陽光発電パネルが100メートル四方ほどの面積の斜面に設置されているようです。
広大な畠作地区の一部が太陽光発電サイトに転用されたのでしょう。

太陽光発電には、発電の効率がよくないとか出力電力量が時間とともに非常に大きく変動するという大きな問題点がありますが、それでも「脱原発」の有力な方策の一つでしょう。

シリコン系太陽光電池

シリコン  現在太陽光発電に利用されている太陽光電池は、「シリコン系」のタイプが大多数を占めています。これは、純度が非常に高いシリコン(珪素)で広い面積のp-n接合の構造を造り、そこに太陽光をあてて電力を得るというものです。

それに利用するシリコンは、「ソーラーグレード」というクラスの純度が必要です。シリコン系太陽光電池のなかでも発電効率が高い「単結晶型」の場合は、左の写真のように太い円柱状のシリコン結晶インゴットをまず作り、それを薄くスライスして太陽光発電セルを作ります。

多結晶シリコン

 上記のシリコン単結晶太陽光電池は、単結晶インゴットという高級シリコン素材を使い、薄くスライスするなど工程も多いので、価格がかなり高くなります。
多結晶シリコンは、部分的に結晶化されたシリコンを集めて熱で溶かしたものです。多結晶シリコン型太陽光電池は、多結晶シリコンを溶融したものを長方形の鋳型に入れて固める「キャスト法」によって太陽光電池を製造します(下の写真)。

シリコン  シリコン単結晶太陽光電池では、シリコンの原子が規則正しく並んでいるため発電量を左右する変換効率が高いのに対し、多結晶太陽光電池ではシリコンの原子がつぎはぎにつながっているため電気エネルギーが移動しにくく、変換効率がやや低いとされます。

シリコン多結晶太陽光電池は、材料となるシリコンをさまざまな方法で製造できるため電池が大量生産しやすく価格も安くなります。
シリコン多結晶太陽光電池は、安価なため普及も進んでおり、現在住宅用に設置されている太陽電池モジュールの約90パーセントが多結晶シリコン型であるといわれています。

化合物系太陽光電池

 シリコン系太陽光電池に利用する金属ケイ素は、精製に多くの電力を必要とするので、電力価格が高い日本では採算がとれず、オーストラリア、中国など海外で生産されたものを輸入しています。金属ケイ素からソーラーグレードの高純度シリコンを作るプロセスも多くの電力を必要とするので、日本ではコスト高につきます。

cis  そこで、かねてよりシリコン以外の材料を利用した太陽光電池が研究されてきました。シリコン以外の物質を混合して作られる太陽光電池を化合物系太陽光電池と呼びます。

30年ほど前から、左図に示す「CIS系」太陽光電池の研究が進められてきました。これは銅-インジウム-セレン(CIS)の化合物を素材とした薄膜で太陽光電池を形成するものです。

太陽光が当たる側にはZnOで透明電極が形成されており、これがn型半導体層になります。
その下にはCISの光吸収層が形成されており、これがp型半導体層になります。

上図でCIS光吸収層は、太陽光を吸収する能力が非常に高く、数ミクロンの薄膜で太陽光電池を構成できます。したがって、シリコン単結晶型太陽光電池、シリコン多結晶型太陽光電池より少ない材料で太陽光電池が製造でき、その重量も小さくて済みます。

また、CIS系太陽光電池は、高純度シリコンを多量に使うシリコン系太陽光電池より電池製造過程における電力など使用エネルギーが大幅に少なくなります。そのため、日本のように電力価格が高い国でもCIS系太陽光電池は比較的有利に製造できるとされます。

CIGS系太陽光電池

 化合物系太陽光電池の研究開発が本格化したのはシリコン系太陽光電池よりずっと新しい時期であり、現在その研究が世界各国で盛んに行われています。

化合物系太陽光電池では、通常レアメタルと呼ばれる希少金属類を利用する場合がかなりあります。上記CIS系太陽光電池ではインジウムというレアメタルを使用しますが、このインジウムは世界的にも非常に埋蔵量が少ないとされます。日本では、インジウムは銅や亜鉛を精練した際の残渣からわずかに抽出されるということです。

希少なインジウムの使用量を減らすために、CIS系太陽光電池で使用するインジウムにガリウムを混合した「CIGS系太陽光電池」が開発されました。下図のように、光吸収層であるp型半導体層が銅、インジウム・ガリウム合金、セレンから作られています。

CIGS系太陽光電池

 CIGS太陽電池は現在のところ効率8〜12%程度の性能のものが市販されていますが、研究レベルでは既に多結晶シリコンと同等の性能が確認されており、やがて量産品でも多結晶シリコン並に性能が向上すると期待されています。

その他の化合物系太陽光電池

 上記 CIGS太陽光電池では希少なインジウムの使用量をCIS太陽光電池に比較してかなり減少させることができましたが、それでも今後 CIGS太陽光電池の生産量が増加すると数十年先にはインジウム資源がネックになる恐れがあります。
また、インジウムとともに使用するガリウムも、インジウムほど希少ではないにしてもやはりレアメタルの一つであり、今後資源不足、価格高騰の恐れがあるとされます。

そこで、CIGS太陽光電池でのインジウム、ガリウムのかわりに安価な亜鉛とスズを利用したCZTS太陽光電池が近年盛んに研究が行われています。CZTS太陽光電池は現時点では発電効率はまだCIGS太陽光電池には及びませんが、研究レベルではすでに12パーセントの発電効率が得られたとの報告もあり、次第にCIGS太陽光電池に近くなっています。

これらの化合物系太陽光電池の研究は、前記のように活発になったのはつい最近のことです。5年ほど前にCIS太陽光電池でシリコン系太陽光電池に近い性能のものが安価に製造できるようになり、化合物系太陽光電池の研究が世界的に一段と盛んになりました。すでに、研究レベルではCIGS太陽光電池でシリコン多結晶太陽光電池に匹敵する効率が得られたとの報告がされているそうです。

なお、アメリカではかなり前からカドミウムとテルルを使ったCdTe太陽光電池の開発が行われ、現在ではファーストソーラー社が変換効率10パーセント程度のモジュールを販売しています。現時点ではCdTe太陽光電池は、シリコン多結晶太陽光電池より変換効率がやや低いものの価格が安いので販売が伸びているそうです。
しかし、テルルもまた資源が乏しいレアメタルの一つなので、将来需要が大きくなれば資源不足になる恐れがあるとされます。また、カドミウムとテルルはどちらも毒性が強いので、日本やヨーロッパではCdTe太陽光電池は環境に害を及ぼす危険が指摘されています。

シリコンのコストダウン

 このように化合物系太陽光電池の研究開発が進展する一方で、シリコン系太陽光電池のほうもコストダウンの努力が継続しています。シリコン系太陽光電池に利用する金属ケイ素はソーラーグレードという純度のもので、その精製には多くの電力を必要とします。
そのため、日本の太陽光電池メーカーは、電力が安いオーストラリアに金属ケイ素精練工場を建設するなどの策を講じてきました。

最近では、ソーラーグレード金属ケイ素の精練には流動床法、冶金法、亜鉛還元法などさまざまな手法が開発され、精練コストは大幅に低減されました。また、金属ケイ素の精練プロセスに要する時間も非常に短縮されたとのことです。

現在シリコン系太陽光電池の中心となっているシリコン多結晶太陽光電池では、 基板の厚さが200〜300ミクロンもあります。これにより高価な高純度シリコンが多量に必要となり、またシリコン多結晶太陽光電池を利用した発電モジュールは重量がかなり大きくなります。

そこで、ガラスなどの基板の上にプラズマ放電を利用してシリコン薄膜を形成する薄膜太陽光電池が研究されてきました。シリコン薄膜太陽光電池には「アモルファスシリコン」型、「微結晶シリコン」型の二つの種類があります。現時点ではいずれも変換効率の点ではシリコン多結晶太陽光電池には及びませんが、それら二種を組み合わせることで変換効率を10パーセント前後まで向上させた製品がすでに市販されています。

前記のように、シリコン系太陽光電池は、これまで金属珪素の精練、高純度化などのプロセスで大量の電力を必要とするのでトータルの製造コストが大きいとされてきました。
もし、上記のような方法で高純度シリコンが低コストで製造できるようになり、さらに薄膜太陽光電池方式で高純度シリコンの使用量が低減できるようになれば、シリコン系太陽光電池のコストは低くなり今後長年月にわたって使用されるでしょう。

シリコン系太陽光電池と化合物系太陽光電池の研究開発がますます進展して性能の優れた太陽光電池が安い価格で販売されるようになるのを、大いに期待したいと思います。

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