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サーバー・コンピュータ

サーバー・コンピュータ  私どもは、毎日インターネットを利用してウェブサイト閲覧、電子メールの送受、データ検索などをしています。ネットワーク業者はネットワーク上でそれらの業務を行うコンピュータを多数持っており、私どもはそれらのサービスを利用して仕事をしているのです。

そのようにネットワーク上で特定の業務を行うコンピュータをサーバーといいます。サーバーは、通常、小型コンピュータにウェブサイト閲覧、電子メールの送受など特定の処理を行うために必要な専用ソフトウェアを搭載したものです。

ネットワーク上のサーバーに利用されるコンピュータをサーバー・コンピュータと呼びます。

 サーバー・コンピュータはネットワーク上の業務処理に特化したコンピュータで、ディスプレイ画面やキーボードは持っていません。動作に必要な電力は、通常外部の専用電源から供給されます。サーバー・コンピュータのハードディスクには、ネットワーク用のOS(基本ソフトウェア)と特定の処理を行うための専用ソフトウェアが搭載されています。

後述のように、サーバーはネットワーク業者のコンピュータ・ルームやデータセンターなどに多数設置されています。それらネットワーク施設でのスペースや電力容量などの制約から、サーバー・コンピュータはできるだけ小型で電力消費が少ないことが要求されます。

最近のサーバー・コンピュータは、上の写真に見られるように厚さ4.5cmほどの薄い形状に作られた「ブレード・コンピュータ」と呼ばれるものが多くなっています。それらを幅19インチのラックの中に立てた状態で多数挿入することで、設置台数を多くすると同時にコンピュータから発生する熱を縦方向に排出するようにしています。

データセンター

サーバー  上記のように、最近はサーバー・コンピュータの低電力化が進行しており、消費電力は公称200Wぐらいのものが多くなっています。
データセンターなどで準備されている19インチ・ラックは、全高2000mmのモデルが一般的で、ラック1本に32台ほどのサーバー・コンピュータを収容することが多いとされます。

実働状態ではサーバー・コンピュータの消費電力は公称値よりかなり少なくなりますが、一方ではラック内に収容されるルーターやLANスイッチなども多量の電力を消費します。
サーバーを多数実装したラックは、一本あたり6KWもの電力を消費するとされます。

 現在のデータセンターでは、収容するサーバー・コンピュータが10000台くらいのものはほうぼうに設置されています。仮にその10000台のサーバー・コンピュータがそれぞれ200Wの電力を消費するなら、データセンター全体では2MWの電力消費になります。
日本の原子力発電所は一基あたりの出力が100MWくらいのものが多いのですが、実にその2パーセントもの電力をこのデータセンターだけで消費することになります。

多数のサーバー・コンピュータを収容する大型データセンター全体では、いかに莫大な熱が発生するかが察せられます。

空冷方式

 サーバー・コンピュータが正常に動作するためには、上記のように発生する大量の熱を適正に排出する必要があります。排熱が不十分な場合には、サーバー・コンピュータに使用されているCPUの温度が上昇して破壊に至る恐れがあります。またサーバー・コンピュータ内のハードディスクの寿命が短くなることも考えられます。

データセンターでは、通常冷風を発生させる空調ユニットを多数持っています。サーバーを実装したラックの最上部に空調ユニットを置いてそのラックだけを冷却する方式、数本のラックをまとめて冷却する空調ユニットを別ラックに置く方式などさまざまな方式があります。

空調ユニットからの冷風は、各ラックの底面からラック前面に送られ、各サーバー・コンピュータのCPU、ハードディスクを冷却した後、サーバー・コンピュータ後部からラックの背面に抜けます。その高温になった空気はふたたび空調ユニットに戻されます。空調ユニットからの排熱は、サーバールームの天井から最終的に屋上の冷却塔で放熱されます。

大型のデータセンターでは空調ユニットも多数にのぼり、それらが発生する熱も非常に大きくなります。そのほかにサーバールームの照明などもかなりの電力を消費するので、データセンターが大型化するほどその熱対策は困難になります。

寒冷地のデータセンター

 このように、空調機によるデータセンターの熱管理は限界に近付きつつあるのが明らかになりました。また、空調機は大量の電力を消費するので、電力料金が高騰している現今、コスト面でもデータセンターの経営を圧迫することにもなります。

そこで、最近は空調機の使用は少なくして代りにできるだけ自然エネルギーを利用しようという動きが出てきました。Google社は多数のデータセンターを持っているので有名ですが、このほどベルギーの首都ブリュッセルで新しいデータセンターを稼動させました。
その新データセンターは、なんと空調機器をほとんど使用しておらず、ほとんどを外気による冷却で運営しているそうです。ブリュッセルの年間平均気温は10.3度とかなり低いので、外気による冷却で対応できるとのことです。

石狩データセンター  日本でも、最近は北海道など寒冷地に大型データセンターを設置する例が多くなりました。東京の年間平均気温は16.3度Cですが、札幌の年間平均気温は8.9度Cと東京より7.4度Cも低くなっています。札幌の気温は上記ブリュッセルより低いのです。

さくらインターネット(株)は、2011年11月、北海道石狩市に「石狩データセンター」を建設しました。同データセンターは、建物は8棟からなり、合計4000ラックのサーバーを収容するという大規模なものです。各建物は一方向に細長く伸びた形状になっており、その長い側面から北海道の冷たい外気を取り込みます。

 取り込まれた外気は、まずフィルタでほこりなどを除去したのち、温度と湿度を調整します。その後、外気は下図のようにサーバールームに立ち並んでいるラックの下端から送入され、各サーバー・コンピュータのCPU、ハードディスクなどを冷却します。

温度が上昇した空気は、各サーバーラックの背面からサーバールームの天井裏に集められ、水平に移動してデータセンター建屋の外に排出されます。

外気空調

 さくらインターネット(株)のウェブサイトによると、外気による冷却を採用した石狩データセンターの消費電力は、従来からの空調機を使用する方式の場合より40パーセントも削減できたということです。また、石狩データセンターのモデルでは、東京23区内に従来型のデータセンターを作った場合と比較して、建設コストは半分以下になるとしています。

雪による冷却

 室蘭工業大学では、かねてより市街地などに積もった雪を 冷熱エネルギー源として利用する方法を研究してきました。同大学の媚山(こびやま)政良教授は、10年以上前から雪の冷気を利用して米をもみのまま冷温貯蔵してきたそうです。

2008年、媚山教授は雪の冷気をデータセンタの冷却に利用する方式を提唱しました。
北海道の西海岸地域は冬季に大量の降雪があるので有名で、その地方の自治体は冬季に市街地や道路から除雪した雪を市街地郊外の空き地などに捨てています。

石狩データセンター  その雪を集めて大きな雪山を造り、その表面をもみ殻か木材チップを積んで覆えば、夏までかなりの部分が溶けないで残るそうです。

その雪山の中にパイプを設置して空気を通せば、真夏でも15度以下の冷気が得られ、データセンタの冷却に利用することができます。
また雪山の雪が溶けて出る冷水もデータセンタの冷却に使うことができます。

それらにより、この地域にデータセンタを建設すれば、真夏でも空調機をまったく使用しなくてもサーバーを安全に運営できるとしています。
媚山教授はこの方式を「ホワイトデータセンター」と呼んでいます。

 北海道や東北地方では、冬季に市街地、道路に積もった雪を自治体が除雪するには多額の経費がかかります。その厄介者の雪が今後成長が続くデータセンタの電力節減に利用できるかも知れないとあって、関係者の期待がふくらんでいます。

上記と同じような雪で冷却するタイプのデータセンタは、東北地方の豪雪地帯でも導入する動きが高まっています。新潟県中部の津南町では、本2015年冬からデータセンタの横に雪山を造り、11月末から貯雪をはじめるそうです。
データセンターの冷却は、毎年10月〜翌年3月の寒冷期はセンター外部から取り込んだ冷たい空気を利用し、雪解けが始まる4月から9月までの間はセンタ横の雪山から得られる冷気で行うということです。

水冷方式

 最近にいたって、CPUなどサーバー・コンピュータに搭載されるチップの集積度は一段と高まり、クロック速度も大きく上昇しました。これらによりサーバー・コンピュータ内の発熱はさらに増大したので、これまでの空冷方式では消費電力、騒音などの点で対応できない場合も出てきているということです。

水冷方式  水は空気より熱伝達率が高いため、水冷を利用した冷却方式は空冷方式より1000倍以上も効率が高くなるとされます。
そこで水冷方式は、メインフレームやスーパーコンピュータなど高速システムのCPUを冷却するには多く使われてきました。

最近にいたって、サーバー・コンピュータのうちでも高速処理を行う機種では水冷方式を採用したものが出てきました。左図はその一例で、CPUを冷却ジャケットの中に納めてそこに冷水を送り込み、CPUを冷却して温度が高くなった水をラジエータに送って低速回転の空気ファンでまた冷却するというものです。

 この方式により、サーバー・コンピュータのCPUを効率よく冷却できるので、サーバー・コンピュータ全体の電力消費を少なくすることができます。
また、空冷ファンの数が少なくなり、ファンの回転数が低くなるので、サーバー・コンピュータから発生する騒音を大幅に低減することができます。
上図の水冷方式を採用したサーバー・コンピュータのメーカーは、5年間メンテナンスフリーを保証しているとのことです。

以上はサーバ・コンピュータの冷却に水冷方式を採用した例ですが、データセンター全体の冷却に自然の冷水を利用する方式も盛んになっています。
Google社はアメリカ西海岸オレゴン州ダレスに大型データセンターを建設しましたが、その施設では近くを流れるコロンビア川の冷たい水を冷却水として使用しています。
ダレスの年間平均気温は12.5度Cで札幌の年間平均気温8.9度Cよりかなり高いのですが、河川水を利用することで大型データセンターを低コストで冷却できるとしています。

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