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幾何学的な画像歪
 たとえば、マンションなど大きな建物の全景写真を撮る場合を考えましょう。建物からかなり離れた場所から写真を撮るときは、建物の高さ、横幅より建物までの距離のほうがずっと大きいので、建物を撮影地点から見込む視角はそれほど大きくありません。

このような場合には、ルネッサンス絵画以来の遠近法の原理により、建物の幾何学的な形状がほぼそのまま反映された写真が撮影されます。その写真を見れば、直感的にその建物の形状が理解できるでしょう。

しかし、建物のまわりの条件によっては、そのすぐ近くから建物の全景写真を撮るほかないときもあります。その場合には、やはり遠近法の原理により、建物の写真は建物の幾何学的な形状からは大きく歪んだ形で撮影されます。
部屋全体の写真を撮る場合も、上記と同じように大きく歪んだ写真になることがあります。

画像歪の補正
 このように撮影された画像がひずむのは、遠近法の結果で致し方ないことです。
しかし、たとえばマンションの全景写真を撮ってマンションの広告に掲載する場合には、これではマンションの幾何学的な形状が相手に伝わりにくいことになり、営業上困ります。

このような場合には、目に見えたとおりに撮影するという写真の趣旨には反することですが、撮影されたデジタル画像を加工して幾何学的な画像歪をある程度補正することができます。これは、デジタルカメラ画像のメリットの一つといえましょう。

マンション写真
大型マンションの写真

 左の写真は、ある建築設計事務所が設計・監理した大型マンションで、その建築設計事務所のウェブサイトに掲載するために私が撮影したものです。

マンション周囲の撮影スペースの関係で、マンションのすぐ近くの路上から撮影せざるを得ませんでした。
そのため、ご覧のように上になるほど建物が小さく見えるいわゆるビリケン型の画像歪が目立っています。
また、画面左側になるほどマンションの建物が急激に小さく見える画像歪も非常に大きくなっています。

このままでは、このマンションがどのような造りになっているのか、また全体としてどのくらいの大きさなのかがわかってもらえない恐れがあります。

画像歪の補正
 そこで、画像処理ソフトを利用して上記のように撮影されたデジタル画像を補正し、幾何学的画像歪を小さくして見ましょう。ここでは、Windows環境で広く利用されている "PaintShop 8.0" という画像処理ソフトを用いて補正を行います。

まず、上記マンションの画像をPaintShopで表示し、下図のように画面上部の「効果」タブから「幾何学効果」 --> 「遠近−垂直」メニューを選択します。

垂直方向の歪補正

垂直方向の歪補正量

 すると、下の画面が現れるので、「差異」の枠で垂直方向の歪補正量を指定します。ここでは +7 パーセントを選択しました。

終了したら、"OK" ボタンをクリックします。

垂直方向の歪補正量

マンション写真
垂直方向補正結果

 垂直方向の幾何学的歪が補正された写真が、左のように表示されます。

画面上部では画像の横幅がもとと同じですが、画面下部では画像の横幅が 7 パーセント小さくなって、画像のない部分が黒く表示されています。

これにより、マンションの元の画像が画面下部では画面上部に比べ 7 パーセント狭く表示され、元の画像の垂直方向の幾何学的歪がかなり補正されました。


水平・垂直方向補正結果
水平・垂直方向補正結果

 次に、今度は同様の操作で水平方向の幾何学的歪の補正も行います。
今回は、水平方向の幾何学的歪の補正量は、垂直方向の補正量と同じく 7 パーセントとしました。

その結果、マンションの写真画像の右に行くほど画像の高さが圧縮され、水平方向の幾何学的歪がかなり補正されました。

水平・垂直方向補正を行った結果は、その内部の写真画像は水平・垂直方向の幾何学的歪がかなり補正され、マンションの形状が理解されやすくなりました。

しかし、その代わりに上の写真のように写真の上下左右に黒い画像のない部分がくさび形にできてしまいました。

マンション写真
マンション写真補正後

 最後に、画像処理ソフトの「矩形切り出しツール」を利用して、上記の補正済み画像のマンション部分を選択します。
黒い無画像部分がかからないように注意して選択してください。

うまく選択できたら、その部分を「編集」--> 「コピー」し、ついで「編集」--> 「貼り付け」--> 「新しい画像」で別画像ファイルとしてセーブします。

左の写真は、このようにして元の写真の水平・垂直方向の幾何学的歪を補正したものです。

最初にお見せした無補正の写真画像と比較すると、幾何学的歪がかなり軽減され、マンションの形状、大きさが直感的に把握できるようになりました。

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