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太陽光発電サイト

メガソーラー  つい最近、私の実家(千葉県)に帰る際、電車の窓から外の景色を眺めていると丘陵の斜面になにか青いガラス板のようなものが多数設置されているのが見えました。

太陽光発電パネルが100メートル四方ほどの面積の斜面に設置されているようです。
そのまわりは普通の畠が広がっているので、広大な畠作地区の一部が太陽光発電に転用されたのでしょう。そこから電車で30分ほども行ったところ、また上記の半分ほどの太陽光発電サイトがありました。

私が1ヶ月ほど前にここを電車で通ったときは、確かこれらの太陽光発電サイトはなかったと思います。最近、これまでに申請された太陽光発電サイトが次々に完成しているというニュースをインターネットで見たことがありますが、それらがついに私の郷里のような普通の農作地帯にも及んできたということでしょう。

太陽光発電サイトの定格

 この規模の太陽光発電サイトで、実際に発電できる電力はどのくらいになるのでしょうか。
太陽光発電の発電量は諸条件によって大きく変動しますが、ここでは代表的な条件により発電量を概算して見ましょう。

太陽光発電サイト全体の面積は100m×100mすなわち10000uとします。しかし、大規模太陽光発電サイトでは、傾斜を付けてパネルを設置し、それらを日陰ができないように距離をとって配置するので、実際の土地の利用効率はだいたい50%になるそうです。
従って今回想定する面積規模ではソーラーパネルの設置面積は大略5000uになります。

ソーラーパネル単位面積当たりの発電量(晴天時)は、設置地域の緯度、パネルの傾斜角度、気温などによってかなり大幅に変動します。ここでは使用するソーラーパネルの変換効率と諸損失を考慮に入れ、平方メートルあたり100Wという発電量を採用しましょう。

この場合には、ソーラーパネルの設置面積が5000uならこの太陽光発電サイトの発電能力は500kWということになります。この数字を太陽光発電サイトの定格といい、それが1MW(1000kW)を超える規模のものを「メガソーラー」と呼んでいるようです。

太陽光発電の発電量

 上記太陽光発電サイトの定格とは、直感的にいえば真夏のお昼前後、快晴の日にその太陽光発電サイトから得られた電力を示す数値です。
実際には冬季の日が低い時期には太陽光発電サイトの出力は夏季より低下します。また、もちろん、曇りの日、雨の日には太陽光発電サイトの出力は大幅に低下します。

毎年の晴天日数はかなり変動するものです。また、夏季の高温時にはソーラーパネルの出力が原理的に若干低下します。さらに、やや長期的には、経年劣化によるソーラーパネルの出力低下も報告されています。

以上から、太陽光発電サイトから得られる電力はその定格より大幅に少なくなるのが普通です。太陽光発電サイトを建設した後数年間の運用を行い、その間の発電出力を平均することで、その太陽光発電サイトの「実力」が判明します。

多くの太陽光発電サイトでの実績を見ると、平均的には「その太陽光発電サイトでの定格出力が毎日3時間にわたって得られた」というのが普通の実力だそうです。
真夏の晴天の日には、普通7時間ぐらいも強い日差しがソーラーパネルにほぼ垂直に降り注ぎます。しかし、いっぽうで雨や曇りでほとんど発電できない日もかなりあります。
それらを平均すると、「1日3時間ぐらいソーラーパネルがベストの状態で発電できる」というのが太陽光発電の実力ということでしょう。

この太陽光発電サイトの定格発電能力を上記のように500kWとすると、年間の発電量は

       0.5×3×365 = 547MWh

となります。

原子力発電との比較

 お断りしておきますが、私は原子力発電推進論者ではありません。将来的には太陽光発電、風力発電など再生可能エネルギーが大いに進展し、全発電電力のうちで原子力発電の占める割合を低減するのを切に願うものです。

しかし、そのためには現在の太陽光発電など再生可能エネルギーがどのようなレベルにあり、それらで原子力発電を代替するのが将来的には可能なのかどうかを客観的かつ冷静に調べなければなりません。ここではまず上記の太陽光発電サイトを例にとって、太陽光発電サイトの年間発電量と原子力発電所の年間発電量とを比較しましょう。

2011年3月以来日本国内の原子力発電所はすべて停止していますが、ここでは国内新鋭原子力発電所クラスの1000MW原子力発電所を比較の対象としましょう。

原子力発電所では、電気事業法に基づき、約1年に1回原子炉を止めて定期検査を行います。現在日本の原子力発電所の定期検査期間は、約3ヶ月程度が標準となっています。
従って日本の原子力発電所は、順調に運転されている時期には75パーセントほどの稼働率で発電していることになります。しかし、小さなトラブルで短期間停止することもあるとのことなので、ここでは定格k出力1000MWクラスの原子力発電所が年間70パーセントの稼働率で発電すると想定しましょう。すると、この原子力発電所の年間発電量は

       1000×0.7×24×365 = 6132000MWh

となります。前記太陽光発電サイトの年間発電量は547MWhなので、この原子力発電所と同じ年間電力を得るにはこの太陽光発電サイトが11210ヶ所必要ということになります。

この太陽光発電サイト1ヶ所の面積は100m×100m(1ヘクタール)なので、11210ヶ所を建設するには11210ヘクタール(112平方キロメートル)の土地が必要です。これは長野県にある諏訪湖の面積の9倍になります。大規模太陽光発電がいかに広大な場所を必要とするかがわかります。

これほどの規模の太陽光発電を行おうとすれば、巨額の費用がかかるのは明白です。その費用の償却は太陽光で発電した電力の売却ではとても無理な話で、結局は私ども利用者が払う電気料金や税金にはね返ってくることになります。

太陽光発電量の変動

 このような困難を克服して大規模太陽光発電を実現したとしても、それを私どもが実際に利用する上ではなお大変重大な問題点が残っています。それは太陽光発電の出力電力量が時間とともに非常に大きく変動するということです。

当然ながら、夜間には太陽光発電はまったく機能せず、発電出力はなくなります。従って、その分は比較的機動性の高い天然ガス発電などで補うほかありません。
また、日中でも曇りの日、雨の日には太陽光発電サイトの出力は大幅に低下します。今後太陽光発電の規模が大きくなれば、その日の天候によりあらかじめ機動性の高い天然ガス発電などを準備する必要が出てくるかも知れません。

それらのほかに、対処が難しい出力電力量変動要因があります。真夏の午後などにそれまで晴れていた天候が一変して豪雨になることがよくあります。そのような場合には、ソーラーパネルからの発電出力は一挙に1/10以下に急減することになります。
そうなると太陽光発電サイトが接続されている電力網に大きな混乱が発生するので、その軽減のために太陽光発電サイトと電力網との間に蓄電池を利用した電力バッファーを挿入する必要があります。それにより、太陽光発電のコストがさらに上昇することになります。

全量買い取り制度

 今回行った簡単な検討だけでも、大規模太陽光発電で原子力発電の代替をするというのは、少なくとも国土の面積が狭く降雨量の多い日本では実現困難であるのがわかります。
アメリカでは南西部の砂漠に広大な太陽光発電サイトを建設したということですが、日本ではそのような場所はなく、10ヘクタール以上の大規模太陽光発電サイトは今後とも建設されることはそれほど多くないと思われます。

山間の休耕地などを利用して小規模太陽光発電サイトを多数建設するプロジェクトが進行しているそうですが、それら小規模太陽光発電サイトの採算性はいかがなものでしょうか。
2012年から実施された全量買い取り制度によって太陽光による発電電力がかなり高い価格で売却できるようになりましたが、それでも採算がよくない太陽光発電サイトが多いという話をよく聞きます。全量買い取り制度による売電価格は年々低くなるので、太陽光発電サイトの採算は今後さらにきびしくなるでしょう。

メガソーラー 太陽光、風力など再生可能エネルギーによる発電は、日本ではまだ緒に就いたばかりでコストが高いのは当然のことです。
そのコストを将来の量産効果によって引き下げるという目的で、再生可能エネルギーの全量買い取り制度が発足しました。

私ども国民もその趣旨に同意して電力料金の引き上げ、税金の負担増などに協力しているのですが、それらは今後再生可能エネルギーの利用が増加して再生可能エネルギーで発電した電力のコストが低下するのが前提になっています。

ところが最近の調査によると、再生可能エネルギー利用先進国のドイツに比較して日本での太陽電池モジュール、架台・ケーブル・工事費用、パワーコンディショナーなどはずっと割高になっているとのことです。ぜひ早急なコストダウンをお願いしたいものです。

夏季の冷房用電力

 上記のように太陽光発電は、発電量から見てもまた発電量の安定性から見ても、原子力発電、火力発電と同じ「ベース電力源」(基幹電力源)となるのは難しいと思われます。
しかし、太陽光発電は夏季の正午ごろ発電電力が最大になるという特性を持っているので、夏季の冷房用電力としては能力をフルに利用できることになり、非常に好都合です。

太陽光発電出力 左図は、ある大型メガソーラー発電所の真夏での発電電力を示したものです。9時〜14時ごろの時間帯に、このメガソーラーの発電電力がその日の最大値になったのが見てとれます。

このように正午前後に発電した電力を冷房用に使うのであれば、太陽光発電サイトの出力変動に対処する電力バッファは比較的小規模で済み、太陽光発電サイトのコストの面からも有利です。

年間の最大需要である夏季の冷房用電力にちょうどうまく対応できるのが、太陽光発電の最も大きなメリットと思われます。

電力供給の余裕率

 日本の原子力発電所がすべて停止している現在、東京電力をはじめ電力各社ではその時期の最大電力需要に対して3パーセントの余裕率を目標に電力供給をしているそうです。

3年前にそれまで主力の電力源であった原子力発電が無くなってからは、石油、天然ガス、石炭などの火力発電所を老朽発電所も含めてフルに動員して原子力発電の穴を埋め、綱渡りの電力供給をしているのが実情のようです。

平成26年3月28日に長崎県の1000MWクラス大型火力発電所である松浦火力発電所2号機が低圧タービンロータの事故で停止し、現在も復旧していません。これにより、九州電力の電力供給はこの夏場は非常にタイトになっています。
このように大型火力発電所が事故などで停止するリスクは常にあり、それによって上記電力各社が想定する3パーセントの余裕率が確保できなくなる事態も起こり得ます。

さて、前記のように全国で太陽光発電サイトの設置工事が急ピッチで進展した結果、少なくとも夏場の日中では太陽光発電による発電量はかなりのレベルになってきました。
太陽光発電サイトの設置予測はさまざまな数字があり、太陽光発電による発電量はなかなか全容がつかめませんが、2014年度中には夏場日中の発電量は電力会社によって提供される全発電量の3パーセントに達するという予測を目にしたことがあります。

もしこれが実現すれば、現在夏場日中で電力各社が提供している電力供給の余裕率を3パーセントから6パーセントに拡大できることになり、大型火力発電所が突発事故などで停止した場合にもなんとか大事に至らず対応できると考えられます。

夜間の余剰電力を蓄電して日中に利用する技術がなお確立していない現在、太陽光発電によって夏場日中の莫大な電力需要にある程度まで対応できるのは大変有難いことです。前記のように基本的にコストが高い太陽光発電ではありますが、この大メリットを生かして今後設置が進展するのを期待します。


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