旅行

文学

美術

音楽

宗教

パソコン

海外旅行


トップページ ホワイトバランスの設定 メニューへ

ペーター教会
照明と写真

 私は、海外旅行先で、教会、オペラハウス、コンサートホールなどをよく訪れます。

ヨーロッパは日本に比較して蛍光灯より白熱灯の照明が多いのですが、特に上記の場所では伝統を重んずるためか現在でもほとんどが白熱灯で照明しています。
そのため、照明が赤みが強く感じられます。

そのような照明環境で撮影した写真を後でパソコンで見ると、予想したのとは画像がまるで違うので驚くことがあります。左はウィーンにあるペーター教会の祭壇の写真ですが、赤みが強く撮影されてしまいました。


ホワイトバランスとは

 カメラで撮影した写真画像は、対象物から反射してきた光を記録媒体に固定したものです。人間の眼は、太陽光のもとで見た場合の対象物からの反射光を強く記憶しています。その対象物と同じ種類のものを太陽光以外の照明で見た場合、対象物からの反射光が太陽光のもとで見た記憶と大きく異なると、非常に不自然に感じます。

特に、太陽光のもとでは白いはずと思っているものが違う色に見えると、だれでも色の偏りを強く感じます。そこで、技術的にやや厳格でない言い方になりますが、普通の写真では「白いものを撮影したとき、白らしい写真になる」ことが求められるのです。

通常のデジタルカメラでは、R、G、B(赤、緑、青)の3原色の受光素子で対象物からの光を受け、それらの信号を組み合わせて写真のデータを記録します。
写真データを組み立てて記録する前に、受光素子からのR、G、B信号の比率を変えると、記録後再生された写真画像の色調はそれに応じて変化します。

デジタルカメラでは、このような電気信号処理を利用して、対象物を照らす照明の影響をかなりの程度まで補償することができます。デジタルカメラのホワイトバランスという機能は、これを利用したものです。

オート・ホワイトバランス

 最近では、安価なコンパクト・デジタルカメラでも「オート・ホワイトバランス」という機能を搭載しており、利用者が特に設定しない限りこの機能を利用して撮影が行われます。
これは、太陽光、白熱灯、蛍光灯などさまざまな照明のもとでも、「白いものを撮影したとき、白らしい写真になる」ように電気信号処理で補償する仕組みといえましょう。

オート・ホワイトバランスにもさまざまな方式がありますが、撮影画面中央部分のすべての色データを統計処理で混合し、それをカメラ内部に持っている基準と比較してホワイトバランスを合わせるという方法が多く利用されています。

この方式のオート・ホワイトバランスが正しく機能するためには、原理的に次のような条件が必要です。
  • 撮影対象の色が偏っていないこと

     撮影対象からの光だけでホワイトバランスを合わせる方式なので、撮影対象の色全体を平均すると白(あるいは灰色)に近いことが前提になります。
    たとえば赤い屋根、緑の芝生など、特定の色の面積比率が大きい場合には、オート・ホワイトバランスが正確に動作できない恐れがあります。

  • 照明光が一般的な種類であること

     デジタルカメラは、広く使われている照明光である太陽光、白熱灯、蛍光灯(普通色、昼光色)のデータを内蔵しており、それらとカメラ入射光の平均データとの照合を試します。
    室内で、数種の光源を混合して照明している場合には、デジタルカメラが照明光の種類を特定できなくなり、オート・ホワイトバランスが機能しないことがあります。

    カーテンやシェードを使用して色調が偏った照明をしている場合も、同様です。
実際にさまざまな撮影をしていると、オート・ホワイトバランスが不満足な結果になることがかなりあります。安価なコンパクト・デジタルカメラでは、手動ではホワイトバランスの調整ができず、組込みのオート・ホワイトバランスを利用する他ないという機種があるようですが、これではユーザーとしては少々不安を感じます。

プリセット・ホワイトバランス

 撮影の際、照明あるいは光源の種類がだいたいわかっていれば、デジタルカメラをあらかじめそれに適応させておくという方法もあります。この方式をプリセット・ホワイトバランスといい、現在ではコンパクト・デジタルカメラ以上の機種で広く利用できるようになっています。

私が使用しているキャノンのデジタル一眼レフカメラ "EOS Kiss Digital N" では、下表に示すプリセット・ホワイトバランスのモードを内蔵しており、ユーザーが選択して利用できるようになっています。

モード 色温度(約 °K)
 太陽光 5200
 日陰 7000
 曇り、薄暮 6000
 白熱電球 3000
 白色蛍光灯 4000
 ストロボ光 6000
 左の表で、「色温度」とは、「黒体」という物理学上の物体をその温度(絶対温度)に熱した場合に放射される光を示します。

通常の白熱灯は約3000度の黒体に相当する光を放ちますが、正午の太陽光は5200度の黒体放射に相当するとされます。太陽光は、温度が高いだけ白熱灯より赤みの少ない白色光となります。

白色蛍光灯は、白熱灯より色温度が高いので、やや青みをおびた光を放ちます。

たとえば、蛍光灯で照明されている室内で撮影をするとき、あらかじめ上表の「白色蛍光灯」というモードに設定しておけば、かなりよいホワイトバランスが得られるでしょう。
もちろん、オート・ホワイトバランス・モードでも、多くの場合まずまずの結果が得られますが、プリセット・ホワイトバランス・モードにした方がより確実です。

大事な撮影の際は、オート・ホワイトバランス・モード、プリセット・ホワイトバランス・モードの両方で撮影を行うのがよいでしょう。

マニュアル・ホワイトバランス

 実際の撮影現場では、複数の光源が混在している場合がかなりあります。また、室内で照明が暗いので、フラッシュで補って撮影する場合もあります。
このようなケースでは、上記のオート・ホワイトバランス・モードでもプリセット・ホワイトバランスでも、原理的に適正なホワイトバランスを取るのが困難です。

コンパクトデジタルカメラの上級機やデジタル一眼レフ機では、マニュアル・ホワイトバランスという手動による調整機能が搭載されています。これは、撮影する場所の照明下に白い紙などを置き、それをカメラで撮影することで、ホワイトバランスを設定するものです。
私が使用しているキャノンのデジタル一眼レフカメラ "EOS Kiss Digital N" にも、この機能があります。私は、撮影時にホワイトバランス・モードをどう選択したらよいか迷うときには、この機能を使用しています。

よりよいホワイトバランスを

 皆様がご覧になっているカラーテレビも、R、G、B(赤、緑、青)の3原色の発光体を組み合わせてカラー画像を再現しています。この場合にも3原色のホワイトバランスが肝要で、ホワイトバランスが適正にセットされたカラーテレビでは、自然なカラー画像が表示できます。

デジタルカメラでもホワイトバランスが撮影の基本になっており、ホワイトバランスが適正に設定されたデジタルカメラでは色調が自然なカラー写真が撮影できます。ぜひホワイトバランスの技術をマスターして、一ランク上の写真を撮ってください。

まず手始めに、デジタルカメラで標準設定になっているオート・ホワイトバランスだけではなく、デジタルカメラが内蔵しているプリセット・ホワイトバランス・モードをうまく利用して撮影してみてください。
蛍光灯で照明されている室内で撮影する場合には黄緑がかった写真になりやすいものですが、「蛍光灯」モードに設定して撮影すると、自然な色調になる可能性があります。

次のステップとして、マニュアルホワイトバランスも試してください。複数の光源で照明が行われている場合や、撮影対象で特定の色の面積比率が大きい場合には、劇的な効果が得られることがあります。
マニュアルホワイトバランスを利用するには、普通デジタルカメラのメニュー画面をいくつかたどって設定する必要があります。そのために利用している方はそれほど多くないようですが、慣れれば簡単に使えるので、ぜひトライしてください。

  トップページ メニューに戻る